八ガ岳・横岳西壁 大同心ルンゼ大滝、赤岳西壁・左ルンゼ
2009年4月3日(金)〜4日(土)
4月3日(金)東京=小淵沢=美濃戸〜北沢〜大同心ルンゼ〜大滝〜赤岳鉱泉小屋泊
4月4日(土)赤岳鉱泉小屋〜文三郎道〜主稜〜左ルンゼF1〜稜線〜地蔵尾根〜赤岳鉱泉小屋〜北沢〜美濃戸=
小淵沢=東京
メンバー 田中、他
 
横岳西壁・大同心大滝
◆3日(金)は快晴で気温も高く汗だくになった。大同心大滝は気温が高く陽が当たっているのに氷は非常に硬かった。
翌日のアップのつもりでフェースの中央ルートを3本登った。
アイスキャンディー アイスキャンディー アイスキャンディー
大同心大滝 大同心大滝 大同心大滝

  赤岳西壁左ルンゼ
◆4日(土)朝5時起床、6時10分出発。25分で行者小屋に着く。文三郎尾根の取り付きでアイゼンを履き主稜の取り
付きへトラバースして主稜を1ピッチ登り雪面を歩いて下り左ルンゼF1の取り付きへ降りる。左ルンゼの取り付きとし
ては他には下から沢を登っていく方法があるが雪が閉まっていたので下から詰めた方が早かったかもしれない。赤岳
主稜の取り付きでザイルを出した時に水筒を落としてしまい赤岳鉱泉に戻るまで一滴も水分を取らなかった。行者小屋
に降りて初めてパンを少し食べただけだった。朝は北アルプスまで見える良い天気だったが時間が立つにつれ天気が
一日早まって登るにつれ黒い雲がわいてきた。
主稜1ピッチ目 左ルンゼF1 左ルンゼF2

 ◆遠めで下から見た感じではナメ滝を入れると滝は5個。ナメを除いてF4まででF1が20m垂直に近い最大の滝でそ
の次がF2、F3〜4はベルグラのミックス。氷は硬くて質が悪い。ベルグラ部分は岩から氷が浮いている。アイスバイル
の刃は両方とも潰してしまった。F1の取り付きから稜線まで真直ぐ左ルンゼを登って全6ピッチ。6ピッチ目は4級の岩
登りを交えて最後は雪面を稜線まで真直ぐ。稜線は風も強く何も見えないのでホワイトアウトになる前に地蔵尾根経由
で行者小屋まで一気に降りる。
アプローチから赤岳 中岳中央クーロアール 中央が左ルンゼ
左ルンゼ 右ルンゼのF1 主稜1ピッチ目の終了点から下る
F1ー20m F1ー20m F2もかなり厳しい
F2ー15m F3ーベルグラ 4ピッチ目
4ピッチ目 5ピッチ目のF4ーベルグラ 6ピッチ目
6ピッチ目の核心の上 6ピッチ目を見下ろす 稜線から赤岳山頂方面
 
◆2月に稜線で雨が降ったので氷が繋がった。昨年も氷が出来ていたらしいが繋がらない。登れるほど氷が出来なか
った。F1から直登したのは10年振りくらいではないかと思われる。裏同心ルンゼF9の涸棚に滝が氷が繋がってい
た。赤岳西壁はリッジが主体でルンゼは殆んど登られていない。理由は下部断層帯がボロボロのハングで登れないか
らである。まれに登っている人がいても左右のリッジから下部断層帯を巻いて登っている。下部断層帯に氷が繋がるこ
とは今シーズン見たいに冬季に稜線で雨が降り4月位が登攀時期になると思う。左ルンゼはバーチカル滝、ベルグラ、
ミックス、岩、雪壁と変化に富んだルートで3000m近くの稜線まで真直ぐに抜けるので登っていて楽しいルートだっ
た。暖冬のシーズンには暖冬の時しか登れないルートがある。左ルンゼはまさに今シーズンのこの時期にしか登れな
いルートだった。
back