利尻島・利尻山西壁中央リッジ〜南峰リッジ 
2009年5月8日(金)〜11日(月)
5月8日(金)東京=羽田=千歳=利尻空港=タクシー=大空沢とスサントマリ沢の間〜西ノ大空沢〜750mレリーフ
岩 テント泊
5月9日(土)750mレリーフ岩〜大空沢左俣〜第一コル〜中央リッジ〜グローブ雪田〜南峰リッジ〜南峰〜本峰〜北
峰〜利尻山避難小屋泊
5月10日(日)利尻山避難小屋〜沢〜登山口=「利尻富士温泉」にて入浴=お宿「マルゼン」泊
5月11日(月)鴛泊=島内一周ドライブ=夕陽丘展望台=沓形岬公園=大空沢林道偵察=オタトマリ沼=姫沼=「か
のう亭」にて利尻ラーメン=利尻空港=千歳=羽田=東京
メンバー 田中、他
◆8日(金)、利尻空港から頼んであったタクシーで燃料2本を受け取り大空沢林道に入るがタクシーの運転手が林道
の十字路を左に曲がる所を真直ぐに行ってしまい仙法志第1稜と第2稜の間で降ろされて殆んど仙法志稜の取り付き
に行ってしまい1時間ほど藪コギをしてトラバースして大空沢に行くと立派な林道が長浜尾根の末端まで続いていた。3
時間程歩いたので7000円もタクシー代を払って海岸から行くのと時間的に変わらなくなってしまった。むしろそっちの
方が全然楽だった。標高750mのレリーフが3枚ある岩の所にテントを張る。テント場から翌日登る迫力ある西壁が良
く見えルートが分かる。頂上まで標高差1000m。全装備を背負って攀じ登る。
◆9日(土)、3時15分起床、4時15分出発。大空沢左俣から第一コルに行くとGWに登った人の2張り程のテント場跡
があった。随分気合を入れて雪の斜面を削ったようだった。中央リッジ取付きに6時。ここから標高差500mの西壁登
攀開始。中央リッジは鉛筆ぐらいの太さの木を掴んで登る垂直の藪コギで圧倒的な高度感がある。全体的に岩も木も
ボロボロで落石あり。5ピッチ目の露岩帯は荷物を背負っていては登れないので荷揚げをした。グローブ雪田まで来る
と南稜や本峰リッジが見え眺めがよくなる。南峰リッジは中央リッジに比べると傾斜は緩くなる。14ピッチ目で南峰の山
頂へ出て懸垂で東側へ降りる。南峰到着は11時。中央リッジ〜南峰リッジはラッシュアタックをかけて5時間で登った。
全装備を背負っての登攀なのでかなり早い方だと思う。この頃から風が強まり本峰への2ピッチ目はハーケンの打って
あるいやらしい岩登り。中央リッジから本峰まで合計17ピッチ。本峰から北峰へ行く時はザイルが弧を描いて空中に
飛び吹き飛ばされそうになりながら北峰へ着く。北峰の祠の影で休憩をするがローソク岩の登攀を予定していたので時
間もあるし風がなければこの日の内に登っておきたかった。翌日登るにも山頂付近でテントを張る予定だったが風速2
0メートル以上でテントごと飛ばされてしまうので標高差500m下げて避難小屋まで降りる。避難小屋に降りてもまだ1
2時半だったが風は強く外に出る気はしなかった。その内、雨も振り出し夜中まで風が凄かった。
◆10日(日)、朝焼けが綺麗で雲海だった。4時には起きたが時間が遅い方が風が止んでくるので、のんびりしてい
た。この日は山頂まで標高差500m登り返してローソク岩を登る予定だったが朝食の「行者にんにく入りラーメン」が完
成した時、熱い汁全部がパートナーの足首にかかってしまい火傷をするというアクシデントで下山が決定。最高の天気
で「もったいない」が仕方がない。沢で下降して極上のアイヌ葱(行者にんにく)を1時間半かけて3キロ収穫。この沢は
硬い雪でアイゼンをはずしたら100m滑落して私が眼鏡を折ってしまった。急峻な沢で滑落停止をやって硬雪をアイス
バイルで切ったが中々止らなかった。登山口で「マルゼン」さんが待っていてくれて宿まで送ってもらう。登山口に下りて
来た時に靴がパカパカ言ってると思ったら両方ともソールが半分ぐらい剥がれていた。2001年に買ったハンワグのロ
ッキー(45000円)だが残雪期の登山しか使わないため、あまり履いていなかったが宿で捨ててもらうことにした。温泉
に入って「セイコーマート」に行きジンギスカンの材料や酒を仕入れる。日中は酒を飲んで焼肉をした。夕方6時に鴛泊
の居酒屋「こぶし」でカメラマンのさとうけいさん、マルゼンの渡辺さん4人で宴会をした。
◆西壁登攀だけなら前日の内に2時位には下山できた。タクシーが林道を知っていればこの時期なら西壁登攀は日帰
りも可能だった(結果的には)。今年は北海道全体が雪が多く利尻山も雪が多かったが西壁だけは雪が少ないように
見えた。10日(日)は8合目から初めてサハリンが見えた。花の浮き島と言われる礼文島もいつかは訪れなくてはなら
ない、利尻の登攀も出来るだけやりたい。「リシリ」はアイヌ語で「高い山がある島」と言う意味である。
テント場より夕焼けの西壁 750mレリーフ岩のテント場  大空沢左俣
左リッジ 中央リッジ 第一コル
第一コルから振り返る 中央リッジ取付き 4ピッチ目
5ピッチ目の露岩帯 9ピッチ目のグローブ雪田 南稜
本峰リッジ 南峰リッジのスノーリッジ 14ピッチ目は雪稜で南峰へ
南峰の頂上 南峰から南峰リッジを振り返る 南峰から本峰へ
本峰から南峰を見る 南峰 本峰の看板
本峰の山頂にて 本峰から北峰へ 北峰の祠
北峰から見た本峰とローソク岩 朝焼け  雲海

◆11日(月)は二日酔いで島内一周ドライブで利尻東壁などを偵察。大空沢林道も偵察して確認した。昼食は「かのう
亭」の利尻ラーメンを食べて利尻空港へ向かう。
この沢を下る 長官山下降点から見た利尻山 礼文島
ポンモシリ島 オタトマリ沼からの利尻山 姫沼 
 

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