利尻島・利尻山東北稜 
2008年5月13日(火)〜16日(金)
5月13日(火)東京=羽田=稚内=バス=フェリーターミナル=フェリー=鴛泊港=「利尻富士温泉」にて入浴=お宿
「マルゼン」泊
5月14日(水)鴛泊=オチウシナイ川林道終点手前〜オチウシナイ川〜1003mピーク右ルンゼ〜略奪点〜東北稜
〜岩塔〜岩稜〜三本槍〜門〜ローソク岩〜窓岩〜北峰〜本峰(最高点)往復〜長官山避難小屋泊
5月15日(木)長官山避難小屋〜長官山〜七曲〜見晴台〜利尻北麓野営場=鴛泊散策=お宿「マルゼン」泊
5月16日(金)鴛泊港=フェリー=フェリーターミナル=バス=稚内=羽田=東京
メンバー 田中、他
◆5月13日(火)、東京は曇りで寒い朝だった。飛行機の中で「左に利尻島が見えます」と言うアナウンスがあった。私
は反対の席に座っていたが少し見えた。利尻山は格好いいな。稚内空港に着くと青空が広がっていて気持ちが良い。
フェリーターミナルに向かう連絡バス(590円)に乗る。フェリーターミナルは建て直したばかりでサハリンに行くターミナ
ルと利尻・礼文に行くターミナルと向かい合わせに合った。利尻行きの乗船まで一時間以上あったのでサハリンに行く
ターミナルを覗いたら外国に行く場所なので雰囲気が違っていた。フェリーに乗ると利尻山が見える。寒いデッキで翌
日のルートを見る必要があった。アフトロマナイ沢から東北稜に取り付く予定だったが南面の為、雪がなくなっていた。
オチウシナイ川から取り付けば北面の為、ルンゼが稜線まで雪で繋がっている。1003mピークに立ち上がっているル
ンゼを登ることを決定した。鴛泊港に着くと宿の人が向かいに来ていた。早速、「利尻富士温泉」に入りに行く。利尻島
の人は車の鍵はつけっぱなしのようだ。食事は宿が経営しているフェリーターミナルの食堂で食べる。利尻名物のたこ
シャブ、ナマコ酢、ホッケの開き、ウニ汁など。今年は雪が少なくて避難小屋も出ていると言うことで15日(木)の天気
予報が悪いので14日(水)の内に山頂まで登り避難小屋で泊まる予定に変更する。テントは宿に置いていく事にした。
私の山用で持ってきた焼酎500mlはこの日の内に全部飲んでしまった。共同装備は私がザイル、燃料、食料の一部
を持つことになった。21:30過ぎに就寝。
利尻山東北稜が良く見える  ホッケの開き ウニ汁
 
◆5月14日(水)、4時に宿の車でオチウシナイ川の護岸工事用の林道の終点手前まで送ってもらう。4時半着。林道
を終点まで歩き沢の中に入る。取り付きのルンゼを半分くらい登って急になって来た所でアイゼンを履く。ルンゼを詰
めると最後まで稜線には繋がっておらず、右のルンゼにトラバースして少し登ると1003mピークの先のコルに出た。こ
こから1400m付近まで岩稜帯を含め猛烈な藪コギが始る。この藪コギで新しい雨具のズボンが破けてしまった。コル
でアイゼンをはずして三本槍でまたアイゼンを履く。三本槍から先は藪はなく岩と雪の上を歩くことになる。三本槍を左
から巻き門は左の泥壁のルンゼを登る。このルンゼに出だしの右側の岩にRCCボルトが1本打ってあった。ローソク
岩は左から巻き窓岩に来ると何箇所か下降用のシュリンゲが架かっている。一番奥の下降点から右に20m懸垂下降
をする。結局ザイルを使用したのはこの1回だけであった。ここから快適な雪稜を30分も登ると利尻山の山頂に出た。
まだ午前10時だった。このまま下れば昼過ぎには登山口に下れてしまうがテント以外の装備を全部背負ってきている
ので避難小屋に泊まる。それに降りてしまうと宿代がかかってしまう。時間があるので最高点の本峰を往復する。一番
高いのが本峰なので南峰は本峰に行かないと見えない。クライミング的には北峰・本峰・南峰と言うが山歩きのガイド
ブックなどでは本峰の事を南峰と呼んでいるようだ。サハリンはガスっていて見えないが礼文島や稚内、サロベツ原野
が見える。北峰で登攀道具をはずしてのんびり避難小屋まで下る。正午前に避難小屋着。既に私の水筒は空で先週
降った新雪で水を沢山作る。1リットルくらい一気に飲んでしまった。冷たくて美味しい。Mさんの焼酎残り600mlで今
日一日二人で寝るまでの時間を引っ張る。落ち着いた所でアイヌ葱(行者にんにく)を雪解けの場所に取りに行く。取っ
た葱で酒のつまみを作りこれがまた焼酎に合う。21:00就寝。夜、避難小屋の外に出ると沓形や鴛泊、稚内の夜景
が見えた。
オチウシナイ川より振り向くと朝陽が オチウシナイ川より利尻山 三本槍手前の岩稜帯
三本槍 東北稜のローソク岩
窓岩の下降点 山頂直下 山頂直下より東北稜を見る
南峰 本峰の山頂 北峰の山頂
ローソク岩 長官山避難小屋
長官山
  
◆5月15日(木)、朝5時起床、6時半出発。天気予報通り小雨が降っていて何も見えない。この日は麓でも一日小雨
が降っていた。下りの途中でアイヌ葱を袋一杯に取る。8時40分利尻北麓野営場着。宿の車に迎えに来てもらう。靴
やスパッツを外の水道で洗い流して山道具を全部乾かす。お風呂も直ぐ入れるようにしてくれた。この時期は利尻の温
泉は12時からしか開かない。風呂上りに500mlの缶ビールを1本づつ飲む。昼飯は「かのう亭」に利尻ラーメンを食
べに行き傘をさして「ペシ岬展望台」に登る。ここには三角点がある。エアリアマップでは灯台山と書かれているが地元
の看板には別名「ゴリラ山」と言うと書かれていた。フェリーターミナルに行き酒やつまみを購入。一日中、昼から焼酎
を飲んでだらだらと過ごす。つまみで買った「ホッケの燻製」は油がべとべとで焼酎に合い旨かった。
◆本州の山だったら14日の内に下山して家に帰るところだ、利尻でも15日に朝一で下山してその日の内に東京に帰
れるが帰りの航空券が日程の変更が利かないバーゲンフェアで購入した為、当初の予定通り16日の帰宅しかなく、も
う一泊する。
ペシ岬展望台 ペシ岬展望台の三角点 ペシ岬展望台から見た鴛泊港

◆初日と帰る日が最高の天気で2日目が晴れ時々曇りで3日目は小雨と言う天気だった。実質、登山は半日程度で後
は飲んで食ってだらだらしていた。グルメ山行になってしまった。最終日の朝食にサロベツ原野の牛乳が出て食後に甘
露泉水で入れたコーヒーが出た。帰りにフェリーから登ったルートが見えた。稚内のフェリーターミナルで空港に行くバ
スが2時間待ちだったのでフェリーターミナル2階の「碧」と言うレストランでホッケのチャンチャン焼き定食(850円)を
食べる。中々美味しかった。稚内空港では喫茶店見たいのが1軒あるだけで値段も高くメニューも良くない。
利尻ラーメン ホッケのチャンチャン焼き定食 帰りのフェリーから見た利尻山
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